大きな窓のある部屋で

どことなく春の気配を感じる3月、横浜市金沢区にある地域活動ホームシーサイドに伺いました。

シーサイドは、平成4年にできた施設で、並木地域ケアプラザと併設されています。施設の前には、フリーマーケットスペースが設けられており、シーサイドで作ったウエスや、同じく金沢区にあるシーサイドの別施設、波輝のアクリルたわしなどが販売されていました。

 シーサイドでは、日中活動のなかで、ウエスを作成しています。ウエスとは、機械の汚れを拭き取る布のこと。付近の工場に需要が高く、シーサイドの売れ筋商品なのだそうです。外活動が好きな方は、ウエスの納品まで行うそうです。 

 

 うかがった時はお昼休みだったので、利用者のみなさんは、マリン室、しおかぜ室のふたつで、それぞれ休憩をとっていました。静かにゆったりとそれぞれの時間を楽しんでいるようでした。大きな窓が特徴的な二部屋。この日は雨が降っていましたが、それでもなお、どこか開放的な感じがします。

 

言葉での表現が難しい方も利用するシーサイドでは、半年前からアート活動をはじめました。この日案内してくださった職員の大西謙さんは、まずはみなさんと絵を描く時間を設けてみたのだといいます。すると、思ったよりも楽しんでくださったそうで、そこでできた絵を廊下に展示してみました。絵に見合うタイトルも、職員さんたちでいくつか付けてみました。

 

「今のところ、3ヶ月に1回くらいのペースで、何かしらのアート活動を行おうと思っています。何かをつくるということに、みなさん、興味があるとわかりました。せっかく描いた絵ですから、どこかに展示できる場所がないか探しています」と大西さんは語ります。

 

 あらためて、みなさんの絵を見てみると、キャラクターを描く人、紙を色で塗りつぶす人、線画を描く人さまざまです。シーサイドで働くみなさんの、言葉では表現できないさまざまな想いが描かれているようでした。

 

(2018/03/16訪問 加納)