横浜市旭区白根にある障害者支援施設光の丘は、
長い坂を上ったところにありました。
施設の4階にある食堂には『展望食堂 富士』と名前がついているほど、
見晴らしのいい場所です。
今回は、課長の石川富士夫さんと支援主任の西山枝里さんに
施設を案内していただき、お話を伺いました。
午後の活動時間中であった、3つのグループを見学させていただきました。
まずは布に動物や、カラフルな模様を刺繍するグループにお邪魔しました。
シンプルに直線を縫うだけでも、色遣いや幅の取り方などで個性的に仕上がっていました。
次のグループでは、広い部屋の中でさらに細かくグループ分けされて、
タイル貼りや受注作業など、ひとりひとりに合わせた活動がされていました。
集中できるスペースが必要な利用者さんには、
パーテーションで仕切られた空間が用意されています。
最後に、クリーニング作業をしているグループに伺いましたが、
すでに作業を終えられて、みなさん一息ついているところでした。
全体的にゆったりとした空気が流れているのが印象的でした。
日々の作業活動以外では、
毎週金曜日に美術クラブ・音楽クラブ・リズム体操クラブに分かれて活動しています。
その中で、外部講師を招いての音楽療法などの活動も行っているそうです。
「多様な障害を持つ方がいるため、全員が楽しめる内容を考える工夫が必要。
そのための情報と発想がもっとあるとよいのだけれど」
と石川さんは話します。
光の丘では、仕事や余暇によって
『その人にとって充実した1日を過ごす』ということを大切にしているそうです。
利用者の多くは光の丘を長く利用しており、
障害の進行や加齢によって身体の状況が変化している方もいます。
今まで取り組んでいた活動が、その人に合わなくなってしまうこともあるため、
本人の持っている能力に焦点を当てて活動を考える必要がでてきているそうです。
ひとりの人生に寄り添うという障害者支援の仕事の奥深さを感じるとともに、
充実した日々のための情報と発想を、よりいろんな視点から集められる協力のかたちが
作ることができないか、と考えさせられました。
(2017/5/2訪問 川村)